パソコンを使っていて、「レジストリ」という言葉を聞いたことはありませんか?
「レジストリを編集する」「レジストリの情報が残っている」など、ちょっと難しそうな言い方をされることも多いですが、実はパソコンにとってとても大切なしくみのひとつです。
レジストリってなに?
レジストリとは、パソコンの中にある「設定情報の書かれた大事なメモ帳」みたいなものです。
パソコンの基本ソフトであるWindows(OS)が、パソコンを動かすために必要な情報をここにたくさん書き込んでいます。
たとえば、こんなことが記録されています:
- どんなソフト(アプリ)がインストールされているか
- パソコンの設定(画面の表示や音の大きさなど)
- 使っている人ごとの情報(背景の画像、フォルダの表示のしかたなど)
- プリンターやマウスなど、つないでいる機器の情報
つまりレジストリには、パソコンが「どうやって動くか」を決める大事なことが記録されています。
私たちが何か操作すると、その内容がこのレジストリに自動で記録されていきます。
レジストリってどこにあるの?
レジストリは、パソコンの記憶装置上に記録されています。
「レジストリエディタ(Regedit)」というツールを使うと、レジストリにどのようなことが記録されているのかを見ることができます。
ただし、これはちょっと注意が必要な場所です。
見方だけ紹介しておくと、以下の手順で開けます:
- キーボードの「Windowsキー」と「Rキー」を同時に押します
- 「ファイル名を指定して実行」という小さな画面が出るので、そこに regedit と入力して「OK」を押します
- 「このアプリが変更を加えてもいいですか?」と聞かれたら「はい」を選びます
- レジストリエディタが開き、たくさんの項目が並んだ画面が出てきます。
これがレジストリエディタです。
中にはとても多くの設定が入っていて、パソコンの動きに関わる大事な情報が詰まっています。
レジストリエディタを使って、情報を変更することもできます。
レジストリってさわっていいの?
結論からいうと、普段使っていてレジストリをさわる必要はほとんどありません。
なぜなら、レジストリはとてもデリケートな場所だからです。
ちょっと変更しただけで、パソコンが正しく動かなくなったり、ソフトが起動しなくなったりすることもあります。
インターネット上には「レジストリを編集すれば速くなる」などの情報もありますが、そういった操作にはリスクもあります。
慣れていない人が見よう見まねで操作すると、思わぬトラブルの原因になることがあります。
今のWindowsは、設定画面などから安全にいろいろなことができるようになっています。
レジストリは「よくわかっている人」が、「どうしても必要なときだけ」さわる場所と考えておくのが安心です。
私たちパソコン教室のインストラクターでも、レジストリを変更することはほとんどありません。
レジストリが原因で起きるトラブルってあるの?
レジストリは自分でさわらなくても、トラブルの原因になることがあります。
たとえばこんなことが起こることがあります:
ソフトを削除したのに、なぜか残っているように見える
これは、レジストリの中にそのソフトの情報が残っている可能性があります。
ソフトをアンインストールした時に、本来は消されるはずが、何らかの理由で残ってしまったことが考えられます。
パソコンを起動すると、使っていないソフトが勝手に立ち上がる
これもレジストリに「このソフトを起動する」という設定が残っているかもしれません。
設定を変えたのに、すぐ元に戻ってしまう
レジストリに書き込まれている情報が原因で、変えた設定が反映されないこともあります。
このように、表に見えない場所ですが、レジストリはパソコンの調子にけっこう大きく関わっているんですね。
まとめ
レジストリは、パソコンの中で動きをコントロールしている「見えない司令塔」のような存在です。
ソフトの設定やユーザーごとの情報など、たくさんのことがここに記録されていて、パソコンを正しく動かすためにとても大切です。
でも、そのぶんデリケートな場所なので、むやみにさわったり編集したりするのはおすすめしません。
もし何かトラブルがあって「レジストリ」の変更が必要になった場合は、信頼できる人に相談したり、慎重に情報を確認したりした上で対応するようにしましょう。